海賊盤

海賊盤というと響きは良くない。だが、クラシック音楽における「海賊盤」は、正規盤のコピーという意味ではなく、正規盤では出回っていない音源といった意味合いが強い。主にはライブ盤だが、その出所は様々だ。FM放送用の音源だったり、それをエアチェックしたものだったり、中には個人で直録りしたものもある。多くはCD-Rで流通しているが、録音の質はあまり良くないのが普通だ。

イタリアのMEMORIESというレーベルがある。収録音源は主にCD-Rで流通しているような音源だ。海賊盤といえる内容だが、ちゃんとプレスしたCDで販売している。グレーな商品だが、物によっては大手外資系CDショップでも販売されているのだ。

専門のCDショップもあるぐらいだが、今回はマーラーの交響曲を中心に海賊盤を漁ってみる。一つはカラヤン指揮ベルリンフィルの交響曲第6番「悲劇的」のライブ(CD-R盤)。カラヤンはライブ盤が少ない指揮者だが、さすがにライブの方が臨場感たっぷりだ。演奏にミスはあれど、凄まじい推進力だ。一方でテンシュテット指揮北ドイツ放送交響楽団によるマーラーの交響曲第1番「巨人」と第2番「復活」の組み合わせも購入した。テンシュテットのライブは確かに「爆演」だったということがよく分かる。

ネットの掲示板を見るとよく分かるのだが、マーラーやブルックナーの演奏に対して偏見を持った愛聴家が多いような気がする。「指揮はXXXじゃないとダメ、YYYは論外」などと言っておきながら、実はYYYの演奏を聴いたことがないのでは?、といった感じだ。先入観は恐ろしい。井の中の蛙、大海を知らず。

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